記憶の底
レタス
血脈に流れる記憶の底に
空想の龍とドラゴンが息づいていた
微かに忍び寄る恐れと豊穣を願う龍
恐れの象徴であるドラゴンは
同じ穴のムジナなのだ
畏敬を仰ぐか
恐れを抱くかは
それぞれの自由に任せるしか無い
わたしは龍を呼び寄せる笛を鳴らし
月と太陽に感謝を捧げ
雨降る慈愛を受ける存在で在りたい
六千万年前に失われた記憶を彷徨い
龍笛を吹きながら
失われた記憶をたどり
倒れた恐竜の屍をあさるネズミのような存在だったのだ
龍の屍を貪り
地球存亡の危機を生きながらえ
私たちは生き続け
今に至った
夜空の月に向かい
今宵も鎮魂の音色を捧げる