記憶の底
レタス

血脈に流れる記憶の底に
空想の龍とドラゴンが息づいていた
微かに忍び寄る恐れと豊穣を願う龍
恐れの象徴であるドラゴンは
同じ穴のムジナなのだ

畏敬を仰ぐか
恐れを抱くかは
それぞれの自由に任せるしか無い

わたしは龍を呼び寄せる笛を鳴らし
月と太陽に感謝を捧げ
雨降る慈愛を受ける存在で在りたい

六千万年前に失われた記憶を彷徨い
龍笛を吹きながら
失われた記憶をたどり
倒れた恐竜の屍をあさるネズミのような存在だったのだ

龍の屍を貪り
地球存亡の危機を生きながらえ
私たちは生き続け
今に至った

夜空の月に向かい
今宵も鎮魂の音色を捧げる


自由詩 記憶の底 Copyright レタス 2016-05-28 02:12:16
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