沈黙の音信
ハァモニィベル



 沈黙の音信



夜中の音で目が覚める。
パチンとかバタンという音ではない
カンカンカンカン
トタン屋根の上を 何かが 
走り去る 音

抱きかかえられるのは嫌よ。猫みたいに
そう言っているような、
恥ずかしいの。音も立てずに生きているのが
と告げていく ヨオナ、

 暗闇に
何かを 

置き去りにする音
ダ。

猫を、見たら私は/わたしの小鳥を隠すわ!
と、いつもワラっては 
消していく
なのに
鎖された扉を
執拗に叩くような、

 独りぼっちの音が、
 キヨラカなサヨナラの夜に
頬っぺたに

 泥のように跳ねて

僕を醒まし
何かが 優しく 壊れては ・・・
返事を失う 僕に

カンカンカンカン カンカンカンカン カンカンカンカン
カンカンカンカン カンカンカンカン カンカンカンカン
「これは詩ではないの。ただの手紙よ」と。













《2016.5.27 「音の行方」 /ハァモニィベル 》


自由詩 沈黙の音信 Copyright ハァモニィベル 2016-05-27 13:46:32
notebook Home 戻る