沈黙の音信
ハァモニィベル
*
沈黙の音信
夜中の音で目が覚める。
パチンとかバタンという音ではない
カンカンカンカン
トタン屋根の上を 何かが
走り去る 音
抱きかかえられるのは嫌よ。猫みたいに
そう言っているような、
恥ずかしいの。音も立てずに生きているのが
と告げていく ヨオナ、
暗闇に
何かを
置き去りにする音
ダ。
猫を、見たら私は/わたしの小鳥を隠すわ!
と、いつもワラっては
消していく
なのに
鎖された扉を
執拗に叩くような、
独りぼっちの音が、
キヨラカなサヨナラの夜に
頬っぺたに
泥のように跳ねて
僕を醒まし
何かが 優しく 壊れては ・・・
返事を失う 僕に
カンカンカンカン カンカンカンカン カンカンカンカン
カンカンカンカン カンカンカンカン カンカンカンカン
「これは詩ではないの。ただの手紙よ」と。
*
《2016.5.27 「音の行方」 /ハァモニィベル 》