完璧な星空
星丘涙

私は来年の初夏の青空の下
この身体を保ち続けているだろうか
貴方と買い物をしたり 食事をしたり 
笑いあったり ふざけあったり

本当は野良猫も 飼い猫も 動物はみな嫌いなのだ
アレルギーだし 面倒だし 汚いから嫌いだ
完璧に理想にフィットしてなければ 心は揺れるものだ
人間も完璧でないから 壊れる この世界も壊れる

だから心揺れる 心配だ 
魂の永遠性は信じられる
でも明日は今日とは違う
また来るはずの春も確かなものではない
長閑な春の景色も 移ろい消えて
また春を歩けるかどうかは誰にもわからない
人生は短い けれど世間体は気になる
思い道理には生きられないのだ
    
星屑に埋もれて心の傷を癒せたあの頃に戻りたい
ガラスの心で夢を描いては
全ての空気を感じとっていた
理想と現実はさほどかけ離れていなかった

生温い部屋の中でコーヒーを飲みながら
眠気を覚まし欲張る日々の繰り返し 潔さの欠片もない
時に逆らって上昇しても 肌艶は失われシミは増え目衰える
諸行無常の波に飲まれ 笑ったり 泣いたり 怒ったり
完璧すぎる星空だけが私を見つめているだけである

   
  



自由詩 完璧な星空 Copyright 星丘涙 2016-05-27 05:42:16
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