あなをのむ
あおい満月
ぽつり、ぽつり、
雨をのむ。
大地が生まれ変わって、
くにゃりくにゃり、
ひきはなれる。
ひきはなれてから、
思い出したかのように、
またちがう大地と繋がる。
こくり、こくり、
酒をのむ。
酒は血液に溶けていき、
それぞれの筋肉に忍び込む。
忍び込んだ酒の汁は、
耳から脳髄までしみわたり、
やがて新たな何かを育む源になる。
ごくり、ごくり、
汗をのむ。
汗は私から出て、
まだ旅の途中だ。
私の汗を背負う蟻たちが、
私の皮膚にかえってくる。
だから、
私の身体は孔だらけだ。