平熱
もり


味のないガムを噛み続けることは
しんどい
ぼくの毎日は
味のないガム
アゴが鍛えられてるけど
殴られることもない
玄関扉の前で
10分も うだうだしていた
いったい何のために
鍵なんかかけたんだろう
盗られるもの 何もない
むしろ奪って
ほしいものばかり
あかりをつける
不在が横たわった部屋
変わったことといえば
カップ麺の汁が分離したくらい
そのように
寂しさとポエジーが
袂を分かったくらい、
テレビはないのに
今日のニュースがだいたい分かる
誰かが 誰かを 刺し
どこかの国は ミサイル発射
巨人は 勝つか 負けるか 引き分けた
ニュースキャスターは
驚いた風の原稿を
全く平たんに 読むからすごいな

ぼくも

もう 何も驚かない
驚かないよ
みんな生きているから
戦争だってするだろう
神さまはそれを禁じない
できないことは
マジでできない

(驚いてやんねーよ)

屋根の上の
風見鶏は
希望と絶望の両方を
引き受けて
静止している

落ちた ガム 砂 三秒ルール

ジャリッ、


自由詩 平熱 Copyright もり 2016-05-25 01:46:42
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