孤独の番人
ミナト 螢
心は無防備な壁のように
何も言わずに建っているけれど
音も立てぬまま剥がれてゆくのは
真っ直ぐだった僕の懐かしい声
ずっと一人で戦って来たんだ
ずっと一人で隠して来たんだ
だって二人はとても怖いから
言葉は無責任な剣みたいで
向き合う度に増えてしまう傷を
最後にはその手で引っ掻くまで
僕等は永久的に背を向けた
ずっと二人で抱き合えないんだ
ずっと二人で笑い合えないんだ
きっと一人はとても寂しいのに
自由詩
孤独の番人
Copyright
ミナト 螢
2016-05-24 21:20:20