迷子になるとわかること
あおば

          160520

生まれつきの相違だね
遺伝子の力の凄さには
呆れるね近衛兵の父は
眼瞑っても皇居内は
迷わずに歩けると威張ってた
それが証拠に
戦地に行っても迷子にならずに
無事帰還できた
戦地で迷子になったらそれこそ
ゲリラの餌食となり
身ぐるみ剥がされるどころか
あっさりと殺されて
何処かに埋められてそれっきり
昼は従順な村民を装って
夜は精悍なゲリラ兵
迷ったら
置いてけぼり食ったら
それこそ命がいくつあっても足りません
肝心なのは正規軍に迷わず付いてゆくこと
戦陣訓には書いてないけど
父はそれを知っていた
だからこそいまがあり
ゴルにも参加できるのですが
その遺伝子は伝わらなかった様で
何度も道に迷いガラホ無くては
何処にも行けなくなりました
道路で狐に騙されたこともあり
なんども薄暗い道をぐるぐる辿り
へとへとになり真っ暗になり
その後どうしたか分かりませんが
無事にいまがあるところを見ると
肥だめに落ちては居ない様です
肥だめに落ちると一生そのことを言われるから
それだけは注意していたのかもしれません
ところで、タイトルは何だっけ、と
可愛い迷子も嬲り殺しにされる
それが自然の掟ですね


初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、松本ダンプさん






自由詩 迷子になるとわかること Copyright あおば 2016-05-20 20:42:46
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