がんと共に
小川麻由美
医師の言葉に呼応して
治療を始めた
余命半年は拭えた
(彼女はどこ?)
3週間×13
ずっと増え続ける数字
たかが数字 だが重い
できる事はする
頑張れ 私の内臓
今では何処へも行ける
杖に頼れば
行きたい場所に行ける喜び
ベリーショートのスタイルで
小生意気な女のよう
鏡には隠し切れない私が居る
測定不能な腫瘍マーカー
今では笑い話にさえなる
もうろうとした意識
そんな時の事なんて
覚えてなんかいない
死を垣間見ると
恐怖より孤独感が勝つ
それを抜けた
死は孤独
当たり前だが
それを実感した
皆を置いて行けない
しかしながら不可能
死には しばらく待ってもらう
日々の工夫で可能になるなら
私は生きる