サウザンクロス

サウザンクロスで降りた人は
どうなったのだろうか。
家庭教師の青年や幼い兄弟は
みなサウザンクロスで降りて行った。

あのリンゴも一緒に持って行ったようだ
リンゴはいつからそこにあったんだろう
きっと世界を創造した時から
アダムとイヴの忘れ物

蠍の火が燃え続けている
ハレルヤ、ハレルヤ
天におられる我らの主よ
我らを憐れみたまえ

みなサウザンクロスで降りて行った。
家庭教師の青年や幼い兄弟も
サウザンクロスで降りた人は
どうなったのだろうか。

本当の幸を探しに来た僕には
サウザンクロスの人々のその後も
カムパネルラの行方もわからないまま

銀河鉄道が僕だけを乗せて運ぶ。


自由詩 サウザンクロス Copyright  2016-05-12 23:38:29
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