定年退職の朝に。
梓ゆい
30余年勤めた職場の入り口で父は佇んでいる。
深く深く礼をして
これまでの事に感謝をしながら。
その姿は皆に慕われ
頼りにされた一人の男の生きざまにも見えた。
明日出社をしたら
父の姿を思い出そう。
受話器の向こう側の相手に
隣に座る同僚に
いつも有り難うございます。を込めた一礼が出来るように
自由詩
定年退職の朝に。
Copyright
梓ゆい
2016-05-11 22:48:29