イミテーションゴールド
ミナト 螢
ピアスの数だけ恋をした
傷付く度に増えてゆく穴を
キラキラと光る星で飾ると
少しずつ痛みを忘れられたが
朝になるとまた気付いてしまう
もっと良い人が居るかも知れない
私の耳には三日月が映える
昨夜の星は引き出しの中だ
こうやっていつもピアスを変えては
絶える事の無い恋を選ぶけど
安っぽいシャネルマークのように
偽物だと解っていてもすぐに
手を出してしまう軽い女だ
本物と出会う日まで待てずに
色んな味を覚えて来たけれど
傷付く事にも慣れたのだから
怖いモノが無くなった私は
ピアスの数だけ恋をする