イミテーションゴールド
ミナト 螢

ピアスの数だけ恋をした
傷付く度に増えてゆく穴を
キラキラと光る星で飾ると
少しずつ痛みを忘れられたが

朝になるとまた気付いてしまう
もっと良い人が居るかも知れない

私の耳には三日月が映える
昨夜の星は引き出しの中だ
こうやっていつもピアスを変えては
絶える事の無い恋を選ぶけど

安っぽいシャネルマークのように
偽物だと解っていてもすぐに
手を出してしまう軽い女だ

本物と出会う日まで待てずに
色んな味を覚えて来たけれど
傷付く事にも慣れたのだから

怖いモノが無くなった私は
ピアスの数だけ恋をする


自由詩 イミテーションゴールド Copyright ミナト 螢 2016-05-11 18:39:44
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