待つふたり
ただのみきや

わずか数滴
血を受けたグラスのように
鈍く燃える吊り照明の下
やり過ごす唇に 骰子ひとつ

  十一時五十三分発特別急行

待たすより急かすより
テーブルに降りた静謐を挟んで
流れ 立ち止まる
時を見送りながら



        《待つふたり:2016年5月5日》





自由詩 待つふたり Copyright ただのみきや 2016-05-11 18:13:25
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