はさみーず
藤鈴呼

米粒に似たような雨が
幾つも 幾つも 降り注ぐ
頭を振っても 振り切れぬ粒を
いっそ 固めてしまおうと
雷鳴さまと 約束をした

今から 氷を降らせては くれませんか
その代わり あなたが いつでも 耀けるように
僕は メジルシに なりますから

ほう そして どうやって?
雷鳴さまは ドコドコドン と
自慢の腹時計を鳴らしながら
尋ねましたとさ

僕が見た夢は ここまで
後は 連想するしか ないのだけれど
日本酒を 飲んだって
失くせるような 記憶では ないのだろうと言うことぐらいまでは
推測できる
あとは 憶測
好き勝手に 思い描くこと

きっと 辞書には
そう書いてあるんだろう

次の頁を 紐解こうと思ったんだけれど
鋏が足りない
草花用のハサミでは イケマセンか
そろそろ リース展が はじまるんです
きっと きっと 愉しいですよと キミは言う

だけど 折角 手作りしたアレを
持ち帰っては イケナイんですって
展示会の最中は
どうか 飾らせて下さいと 
ショップ店員

それじゃあ クリスマスが
終っちまうじゃないか
自宅扉に下げるのが シキタリだろう
そんな 舌っ足らずの ネコナデ声で 懇願されたって
デキナイものは 出来ないんだ!

怒鳴り声が
あの 雷鳴様を 乗り越えて
曇天の 雲の隙間を 突き刺したら
空の猫が 
にゃおんと啼いて
逃げ出しましたとサ

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自由詩 はさみーず Copyright 藤鈴呼 2016-05-07 15:04:03
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