'160424 無題
世江


どうしようもなく 腹が立つのです


たった 5分 10分 待つことがこんなにも苦痛かと
お気に入りの音楽でも聴いていれば
少しは気が紛れたのかもしれない
それだって 今思っても仕方ないこと
だからこそ いつもより一本 電車を早めることで
この苛々を解消してしまいたかった



偶然に次ぐ嫌なものって なんだろう


分かってる
今日 が 今日 だからだ
そう思うしかできなくなった

距離感くらいは健全に保たれたいもの
どうも 相手が悪かった と思うのは否めないらしい
たった 6駅
顔突き合わせて 目で殺し合う
ニヤリと笑うそいつに
ここで 命を預けるわけにはいかないから
無駄な労力を使っていると 十分に理解しながら
目を逸らすことができないで いる



狭い箱の中から出てしまえば
次の何かを予感するもので
そして その何かが今起こるものではないと分かると
不安はさらに倍増するもので


足を踏み入れて声を認識して
そこで気付く


「此処」にいた。


努めて冷静にそして笑顔で
声を震わせてはいけない

体を侵食する怒りに堪えながら
地下への道を急ぐ

また 小さな箱の中
漸く 息を吐くことができた

自分を守ることに長けていないから
そこのところは置いといて
他人を傷付けないことだけに
パーセンテージ100 寄せる


到底自分には似合わない白を纏って
鏡の中のそいつを嘲笑う


こうして初めて 今日と対峙する力を得ることができた


あとは 微笑うだけ




今日を生きると 自分に言い聞かせて












自由詩 '160424 無題 Copyright 世江 2016-05-06 17:37:19
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