いつもの
深水遊脚
文字よりも多い余白に泊まりたい このかさぶたが消えるときまで
独りを選んだんだよ君は たくわえた心の富をみせつけながら
合い鍵の向こうの顔を曇らせる みんなとちがう鍵をねだって
「いつもの」を頼み「いつもの」が来たあの暮らしを壊したのは私で
百二十五ページに刺した栞に返しの歌をしたためて去る
短歌
いつもの
Copyright
深水遊脚
2016-05-06 13:58:24