さんしんの音色
吉岡ペペロ
さんしんの音色
風もない日
無力のふりをしてしたたかに粛々と
不幸に慣れていく
不幸を忘れていく
ひめゆりの塔は
たましいに
うんこや虫や絶望をすりこんできた
不幸に慣れていく
不幸を忘れていく
ひめゆりたちは
僅な喜びに
永遠の自由を疾走していたのだろう
不幸に慣れていく
不幸を忘れていく
さんしんの音色
風もない日
無力のふりをしてしたたかに粛々と
自由詩
さんしんの音色
Copyright
吉岡ペペロ
2016-05-02 23:55:44