春の駅
塔野夏子




白い駅のベンチに
坐っていると
うつろな心臓を
ひとつの喪が
列車のように通過してゆく

それとは関わりのない
やわらかな事象として
少し離れたところに
色とりどりのチューリップが
一列に咲いている





自由詩 春の駅 Copyright 塔野夏子 2016-05-01 12:17:41
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