B1病棟
レタス

事業管理者としてデスクを構える姿はぼくの影

朝のチャイムが鳴るとスーパーの袋に詰め込んだふりかけをぶら下げ
脳汁を垂らしながら
亡者たちと列をなし
鈍色の光に照らされた回廊に並んで
プラスチックの丼に満たされたお粥を待つ

キャベツの千切りが盛られていたら
何種類かのドレッシングの中からひとつを選び
ぬるくなった味噌汁を流し込み
おかわりをもう一杯

繰り返される日常は煙草と珈琲に満たされ
意味の無い会話を重ねるだけ

22時の消灯とともに手のひらに満たされた錠剤を飲まされ
きっちりと5時間の眠りに就く
眠れない朝方はだれも居ない喫煙室でパイプを燻らせ
ティファールのポットで湯を沸かし
珈琲を飲みながら
再びやってくる朝のチャイムを待つ

脳汁に満たされた日々が懐かしい



自由詩 B1病棟 Copyright レタス 2016-04-16 09:29:50
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