人-生の刻印
ひだかたけし

土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す

捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら
浸透し合い親和し始めて
熱と物との力動の一対
無骨な造形躍動する

鍵裂き状の閃きの中
歪み撓み捻れながらも
不意に迷いなき確信の許
可塑性に富む弓形フォルム
土塊と指との交接に結実する


いずれ燃やされ尽くすだろう
かならず失われていくだろう
それでもこの刻印は残るのだ
巨きな愛の時流が人生を司り
新たなる創造への成果として


自由詩 人-生の刻印 Copyright ひだかたけし 2016-04-14 12:10:55
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