青春時代
ただのみきや

若い頃は良かった
なんて言わない
思わない
今が一番
いつだって
これからだって

とかなんとか言ってみても

こんな春のいい陽気に
年頃の娘たちが
きれいな足を惜しげもなくさらし
自転車こいでいるのを見たりすると
なにやらムズムズ

いいねえ 若いって

ふり返る者にそれは
時の流れの澄んだ猶予であり
可能性と選択の散らばった地図
情熱に酔いしれた忘我の振舞いも
世界が黙認してくれるような

だが渦中は混沌
いつも何かに急かされて
見えているものしか見ようとせず
目の前の事に夢中で
広がりも何もありゃしなかった
夢より酒に酔いしれて
面倒ばかり起こしていたが
どこか冷めてもいた

美しくもなかった
青春が
遠く
ふり返る者に微笑んでいる
蜃気楼の楽園に住まう美神のように
仕草
口癖
誰かの
いつかの
ざわつきが
夜のように湧いて触れない場所

だが過去は
仕舞っておくにはもってこい
クローゼットの中
好きなように懐かしさを重ね着ても
シッポは掴まれない
まぼろしに総括はいらない

一般論という訳じゃないさ
人それぞれ(万能薬だね)
歌のように美しき青き春も
あることでしょう
どこかに
きっと/たぶん





            《青春時代:2016年4月13日》










自由詩 青春時代 Copyright ただのみきや 2016-04-13 20:55:25縦
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