VISION.03
ひだかたけし
森を抜ける、視界が開ける、緑の草地、寛ぐ人々ーひろびろひろびろ奥空まで
広がる光、光の広がり、奥空一面、黄白く光る光の体
あれは何だ?あれはなんだ!
私は圧倒されつつ開放されるー情欲を、木漏れ日射す森の岩の上で吐き出された情欲を引きづり、貪婪で計算高いおまえの手を握りつつ私は進む
一方では未知なる予感に透徹として高揚し、他方では次回逢瀬の約束を貪欲に取り付けつつ
もはや引き裂かれてはいないのだ、混沌としてもいないのだ
疼く半身と憧れに充ちた胸奥とを、誰かのわたしが妙に平然と眺めているー欲情しながら清明になりながら