さよならシンパシー
瑞海



ファンタジックな夜に見た
センチメンタルな夢

君の手と私の手が触れ合っただけで
色々諸々爆発しそうだったから
一つだけ星を握りつぶしてしまった
熱々の手のひらで砕けた
星を君と分け合って食べた

それきりそっぽ向いた君は
明日海に出るらしい

流星群のピーク時に
心を踏み砕く

私たちの糸が
そのままであったなら
解けもせず絡まりもせず
少し触れ合うだけの
形であったなら

私たちの気持ちが
おごらず美しいままであったなら
もう少し長く生きられただろうか

手と手が一番美しくなるのは
触れ合う5mm手前
であることを今さら知って
後悔している

触れ合ったら
離れるという動作も伴うから
それはちょっと
つらいなぁ
でも君は
これっぽっちもそう思わない
みたいだ

私たちが見つめ合った時間が
綻び始めている



自由詩 さよならシンパシー Copyright 瑞海 2016-03-28 19:19:06
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