風邪
葉leaf



木の枝が先端から腐り始める
雲はその重たい体を
大儀そうに持ち上げている
光は決して明るくなく
まぶしいとしか感じられない
意識にはあぶくが混じり
まなざしは途切れてばかり
体も半分腐ってしまって
布団の中でしか暮らせない
風邪は果てしなく長引く
世界を道連れに終わろうとする
清浄な水が空の泉から循環を再開するとき
人と自然と世界とが正しく循環し
風邪のゆがめた構造を回復する


自由詩 風邪 Copyright 葉leaf 2016-03-27 15:40:39
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