四季姉妹
ただのみきや

《ひどい! わたしの蕾に粉砂糖したの
姉さんでしょう
《あなたがはしゃぎ過ぎなの
わたしはまだ帰り仕度の最中よ
《ああうるさい こんな早くから蝉はよして
まだうたた寝したいじゃない
《駄目よ 太陽がこんなに高いし
日傘だって咲いているもの もう場所を空けて
《ちょっとわたしの青々したスカーフは何処?
勝手に変えないでくれる
《人間たちだってもう飽きているわ
ほらこの黄色なんて素敵じゃない
《嫌だわ! そんな乱暴に
一度に裸にしたら鳥だって隠れられないじゃない
《大丈夫 すぐに白い綿で覆ってあげるから
蛙も蛇ももうおネムなのよ
《あらそんなに急かさなくてもいいじゃない
なごり雪ってね 別れを切なく飾るものなの 
《いいから早く出て行って!
人も虫も花もみんなウズウズしてるのよ



            《四季姉妹:2016年3月26日》






自由詩 四季姉妹 Copyright ただのみきや 2016-03-26 19:48:53
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