冬の財布
もっぷ

差し伸べてもらえた手を
泥んこのままで掴んだ
なりふり構わずに
その場で泣き崩れた

好きなだけ泣かせてくれて
好きなだけ食べて良いと
まずは好物の鮭料理を
この姿のままで?

会計の時に覗いたら
やけに薄いし
留め具も壊れそうな合皮の財布

それから先は覚えていない
冬眠中の夢だから
目覚めてみたらもう春が居て



自由詩 冬の財布 Copyright もっぷ 2016-03-24 05:29:16
notebook Home 戻る