飛空挺
元親 ミッド

窓ガラスに映り込む室内灯
 
それは空に浮かんだ飛空艇。
 
雲はゆるゆるゆっくり流れ
 
飛空挺は勇壮に泳いでる。
 
 
 
ああ、俺もその飛空挺に乗せておくれよ。
 
ああ、俺も行ってみたいよ何処か遠くへ。
 
 
 
夕時になって空が燃え始めると
 
街を見下ろす飛空挺も真っ赤になった。
 
あれは街が燃えているのか?燃えているのか?
 
見えないからわかんないけど
 
心配で、心配でしょうがなかった。
 
 
 
燃えるのは、俺の頭だけで十分なのに
 
燃えるのは、俺の頭だけで十分なのに。
 
 
 
だけどもようやく火は収まったか
 
空は冷たい紺色になっていた。
 
夜間飛行を始める飛空艇。
 
サーチライトに照らされて
 
眩しいたりゃありゃしない。
 
 
 
ああ、俺もその飛空挺に乗せておくれよ。
 
今頃、飛空挺はパーティーの最中だろうさ。


自由詩 飛空挺 Copyright 元親 ミッド 2016-03-22 02:27:41
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