SAVE SLAVE
竜門勇気


何が起こった
何を知った
何かが壊れた
音だけがする

誰がいるんだ
何を見るんだ
遠くの街で
音だけがする

白いラバの背で
赤いバラを見た
硬い声がした
あの音とは違った

誰を呼んだんだ
誰がわかるんだ
さみしい気持ちを
凍らせたような涙

果てはあるんだ
知ってたんだ
行き着くとこまで来たんだ
朝の憂鬱が
爪を研ぐ時
凪いだ海原を
見渡す夢を想う

壁の中でうずくまる
温度だけの気持ち
気配を頼りに生きていく

もう
どっちでもよくなったんだろ
みとめろ
もうどうでもよくなったんだろ
ききわけろ
うまくやんなきゃ
全部同じに思えてきちまう

聞き分けろ
誰が喋った
何が起こった
壊れる音の後
何よりもやさしい
時間がやってくる


自由詩 SAVE SLAVE Copyright 竜門勇気 2016-03-22 00:12:09
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