anthology
梅昆布茶

懐かしいトムとジェリーを観ながら
人生スラップスティック論入りの缶チューハイで
ほろ酔いの仕事明けの朝

様々な宗教の勧誘やってくる
団地の一階だからな

ハッブル宇宙望遠鏡が25周年をむかえて
深宇宙の映像に
ひさしぶりに触れてみた

人間とはわがままなもので
イノベーションがどうのこうのと言いながら

アンチエイジングとかデトックスとか
ロハスとかなんとかソロジーとかが好きみたいだ

漫画の吹き出しっていつも素敵な詩かなっておもう
アキバ発祥のかわいい文化も捨て難くて

詩人みたいなひとが好きで
こっそりファンで
自分も随分まちがった言葉で
わけのわからない戯言を書いて

冷たい部屋をガスストーブでほんのり暖めて
どん兵衛鴨だしそばでからだも内側から暖めながら
BEATLESのANTHOLOGYを流す

寒い日にはこういう古い音源が似合うものだ
でも座敷に炬燵も捨て難くて僕はすぐに
猫に戻ってしまうのであきらめている

津軽海峡も寒かろうとおもいながら
かってな歌でもうたいたい気分だ

春って待たなくてもふんわりやってくるからすきなんだ
いつもの冷凍庫なんてけっとばしたいぐらいに

きみのことをおもいだす季節でもあるから
ちょっとこころが席替えをするのかもしれない


自由詩 anthology Copyright 梅昆布茶 2016-03-15 12:08:17
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