グミの靴
そらの珊瑚
夢、夜がみせる方の夢と、現実
はとてもよく似ているから、ど
うにかしてそのちがいを暴こう
とテスト勉強もしないで考えて
いた。
しょうもないことさ。だけど人
間って生き物はしょうもない想
像で宇宙のはてまで行けちゃう
モンスターなんだって。
そういえば夢のなかでは本気で
走れない。走っているつもりで
もぶよんぶよんとまるで、グミ
の靴を履いているように、もど
かしい。もどかしいのは初恋を
思い出させて切ないな。硝子の
靴はいつか割れ、女の子の足を
傷つける。その点、グミの靴は
割れないから安全だ。安全だけ
ど、どこへもたどりつけない。
乗り継ぎ駅にさえも、だ。どこ
へも行かせないつもりなんだ、
夜ってやつは。
そのうち疲れてしまって本当の
眠りが来るっていうすんぽうさ。
えいえんをのぞんでないが
あさがきた