グミの靴
そらの珊瑚

 夢、夜がみせる方の夢と、現実
 はとてもよく似ているから、ど
 うにかしてそのちがいを暴こう
 とテスト勉強もしないで考えて
 いた。
 しょうもないことさ。だけど人
 間って生き物はしょうもない想
 像で宇宙のはてまで行けちゃう
 モンスターなんだって。
 そういえば夢のなかでは本気で
 走れない。走っているつもりで
 もぶよんぶよんとまるで、グミ
 の靴を履いているように、もど
 かしい。もどかしいのは初恋を
 思い出させて切ないな。硝子の
 靴はいつか割れ、女の子の足を
 傷つける。その点、グミの靴は
 割れないから安全だ。安全だけ
 ど、どこへもたどりつけない。
 乗り継ぎ駅にさえも、だ。どこ
 へも行かせないつもりなんだ、
 夜ってやつは。
 そのうち疲れてしまって本当の
 眠りが来るっていうすんぽうさ。

 えいえんをのぞんでないが
 あさがきた


自由詩 グミの靴 Copyright そらの珊瑚 2016-03-14 10:40:51
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