南国の魔女か人魚か轟きか
藤鈴呼
みなみ町の角を曲がると
尾ひれがついてくる
それが嘘だと決められれば
楽だったのだが
尻尾と箒を間違えたから
柄で叩かれた
太鼓のバチ以上に 罰当たりな当たり方で
頭に来た僕は
囁く代わりに
雷を落としてやった
轟と言う漢字が
押し寄せて来る
何度 タイヤで轢こうと思ったって
出来やしない
こんなことは 初めてだ
埋め込まれた 硝子の破片みたいに
痛々しいままで
動けない プラスティックの
向こう側に見えるのは
誰にも飲めぬ
オブラートばかりだ
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