ゼロの華
るるりら

【ゼロの華】(鈴木 海飛様 発案の御題です )


からたちの木は 棘だらけ
それでも夏には まるく緑陰つくります
嶮しい棘が獣に怖れを与えることを止めません
冬には 雪に伏せらながら
からたちは夢を見ます
なにもかもを無に帰すという目標です

明日は根となり
木の葉となり
鳥を呼びながらも棘で怖れさせ
空の清浄さを ひたすら集めて丸めて
なにもかもを無に帰すのです

からたちの花が咲くのは四月
ゼロになった空に 白い花が咲くのです





かたちに囚われる人の心は 棘だらけ
ときどき唖然と呆然で ふと口を開けたままにきづかされると
世界の片隅で そのおくちは ゼロと呼応しています
あいた口が あいたら〇【零】になったのでしようか
 
朝日を浴びて、今 私は 足を踏ん張ります
まずは底辺の確保
定点確保そして 心の基礎工事
空に聳える中心柱を置きます
バイオリンの魂柱のような 美しさです
なにもかも 〇【丸】になります。

 卵のように
 花の芽のように
 まるい ひとつぶの はじまりの唄が
 零の中で 揺れています。

からたちの花が咲くのは四月
ゼロになった空に 白い花が咲くのです


自由詩 ゼロの華 Copyright るるりら 2016-03-07 08:13:42
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