梅と猿
藤山 誠
誰も知らない山路で
酸っぱく甘い梅の香り
ふわりふわりと匂っている
静まり返った藪の中
にわかに騒ぐ猿一匹
がさがさがさと音を立てる
山間に炊飯の煙を眺め
雲雀の声を耳にして
まだ黙々と峠を歩く
自由詩
梅と猿
Copyright
藤山 誠
2016-03-01 02:57:39