あめのなかのとり
朧月

鳥は傘をささない
あめにうたれてなにかを待っている
たったひとりで待っている

どうして高いところにいるのか
まちびとは空からやってくるのか

そろそろ私の首は疲れた

鳥はひとりで平気なのに
あめに濡れて平気なのに

濡れていない私は
ひとりじゃない私は

鳥よりも心細くて
鳥よりも弱い

疲れ切ったこの首をもう
もてあましているのに
上をみることがやめられない

まちびとはくる
空から


自由詩 あめのなかのとり Copyright 朧月 2016-02-29 21:59:19
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