生命
ヒヤシンス
紫色の人工の夜空に駱駝は歩む。
星から星へ、月の満ち欠けを慈しむように。
鼓動は無数の星の瞬き。
銀河のオアシスで緑の水を飲む。
銀河鉄道の乗客はいまだ起きている。
窓際に垂らした七色のランプは夜空に輝き、
一等星の駅舎を目指している。
遠くで惑星が赤く燃えている。
夜明け前、西の地平線に向かって駱駝は歩む。
銀河鉄道は最後の駅に向かい、
夜空は天然の紫色になる。
駱駝が地平線の彼方に見えなくなると、
乗客を降ろした銀河鉄道は明け方の空に消えてゆく。
東の空に新たな生命がふたつ輝いている。