ミッション
梅昆布茶

あの日瞳に映った空は
きっと君のどこかに仕舞い込まれ
ときおり顔をのぞかせ驟雨となって
だれかに降り注ぐのでしょう

こころと身体は不可分です
ホイットマンが僕のどこかに
宿っていて欲しい気もします

昇りも降りもないエレベーターの
素敵な終点があったならいいのだけれど

氷のようにひんやりとしたジャズピアノが
古びたアンプとくたびれたスピーカーを通過して
ノスタルジックに部屋の中を充たす

ときおり粘着質の想いが断ち切られ
剃刀のように鋭いものが走る

冷蔵庫の中身が僕の胃袋を通過して
在庫調整がすすみ
やがてなにも陳列されなくなった
駅前のシャッター通りの食料品店の商品棚のように

真っ白な骨格を晒しやがて
ミッションから解放されるのでしょう
僕もそれまでは頑張らねばとおもうのです




自由詩 ミッション Copyright 梅昆布茶 2016-02-21 20:05:58
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