狼のように
颯太@

夜の匂いが残る空気に濡れ
重い一日のドアを開けると
滲む陽射しが僕らの隙間に入り
馴れ馴れしく寄り掛かる

過去の過ちを患う君の為に
繕う嘘まで照らし出せば
14に受けた鈍い痛みが掠め
世界は瞼の裏に成る

記憶の中を彷徨う季節は
狼のように強く吠えておくれ
背を向けずに挑む僕らは
きっと綺麗に輝くはずさ


人の心は誰と競うではなく
自分の存在を追い掛けて行く
砂時計のような命の仕組みに
神様を疑い始めたとしても

小さく微笑む僕の内側には
君を守る誓いが隠れている
この手を離すな君の全てを
連れて闇を越え行く

過去が纏わり付く季節は
虎のように真意を叫んでおくれ
二人で観たい景色が
その先の世界に在るんだ

記憶の中を彷徨う季節は
狼のように強く吠えておくれ
背を向けずに挑む僕らは
きっと綺麗に輝くはずさ


自由詩 狼のように Copyright 颯太@ 2016-02-20 00:13:06
notebook Home