HAL

高い山奥深くや人里離れた小高い山の
急な斜面から緩やかな地層から
沁み出した雪や雨の一滴の水が小さな集まりとなって
峡谷を形成しながらその狭間を流れはじめる

その流れは数年 数十年 数百年の時を経て
川と呼ばれる水の集まりとなって低地を目指し
それらがひとつになって大河となる本流もあれば
支流となって別れていく流れもある

それらの流れは土砂を運び堆積となって大地を生み
そこに緑が芽吹き数多のいのちを抱き集め育んでいく
時に淀むことも清いこともあれば穏やかさを失い
濁流となって自らを持たずいのちを呑み込む

その繰り返しを重ねながら
川は川であろうと流れつづけるが
いつか海に流れ込んだとき川は川でなくなる


自由詩Copyright HAL 2016-02-12 04:27:54
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