面接
アラガイs


あたまを下げる
手始めに軽く微笑んでみよう
悟られたら諦めるしかない
少しあたまを持ち上げて生真面目な素振りをする
できるだけタイミングよく
、そう、頷いてみせるのだ
それでも怪訝気に覗き込まれるだろう
磁力が正負と働きかけてくる
何かを捉えようと画策するのは明白だから
そのまえにこちらが努めて気持ちを整理する
、ほう、ホケキョ、
声音が部屋の反響と交わり
すると態度は下手に移動してみせるかも知れない
そうなれば顔を半分横向きにさせて
唇を噛み呪文を唱えよう
上目遣いに微笑んできたなら
顎を持ち上げ眼を閉じる
ひとつ大きく息を吸い込み
、なに、これ、
瞼を開くと同時に
鼻から押し出してやればいい 。










自由詩 面接 Copyright アラガイs 2016-02-09 03:28:44
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