取扱メモ
……とある蛙

言葉に質量があるかと問われれば
あるのかと問い返す。

あると仮定すれば、の話だが
その質量は意識と比例して膨張し
膨大なものとなり、ついには
意識の中枢に重くのし掛かる

言葉の中でも
独り言のように内面に発せられるだけのもので
外界と一切関係の無いような言葉は
当初の質量は恐ろしく軽い

しかし、その言葉が脳内を旋回するうちに
質量は恐ろしく増大する
質量の増大は脳内を圧迫し内側から
頭蓋骨の硬膜を押し上げるにいたる
かも知れない。

一度ステイされた言葉は早めに
外部に吐き出されるか
脳内を旋回しないよう
太いポリシーの幹に
括りつけるしかない

そのまま野放しにすると
身の破滅を招きかねない

要注意


自由詩 取扱メモ Copyright ……とある蛙 2016-02-05 16:24:53
notebook Home