虹の後始末
nonya
真っ赤な嘘っぱちを
誰も見抜いてくれなかった
橙色の夕日にとろけそうな
もはや追う者もいなくなった
逃亡者の長過ぎる影
気味の悪い戯言を並べた
ノートの頁は哀しく黄ばんで
いつまでも緑葉であろうとして
枯れ枝の先にしがみつく未練
真っ青な空に猫背を向けて
風に逆らうこともなく
卑屈に折れ曲がった道を歩いた
肋骨の下の藍色の闇で
消すに消せない埋み火が嗤うから
紫がかった諦観のようなものを
これ見よがしに羽織って
今日を生き長らえてみる
とりあえず生き長らえてみるのだが
くしゃくしゃに丸めた
夢や憧れや妄想の始末書を
ただ片付けるためだけに
休日の大半を費やしたくないのに
気がつけば初回特価で
またしても虹の起点を買っている
情けなくも愛おしい自分がいる