魂の己
たけし
日が暮れて 時の進んで八時過ぎ
地平にどろんと浮かび上がる
巨大な下弦の月女
濃く黄緑に鈍く輝き
顔半分を失ったまま
うっとりどんより横たわる
朱に染まりひかる千切れ雲散らし
死んでいるのか 生きているのか
意識は混濁 ただ異様な光景だけが浮かび続ける
一定の律動刻む反響と共
☆
遠い遠い 白く静まり 遠い感覚消えず
麻酔して麻酔されても
白い白い 遠く憧れ 白い感情消えず
メス入れてメス入れられても
これはどうやら私の人生
愉しみ苦しみ頂き目指して 朝に夕に口笛を吹く
荒々しく潮の満ち引き繰り返され
意識の一時の途絶えを越え
星にナルマデ骨にナルマデ
オールを操るのは
どんな人生だろうと
自らの自由な強い意志
あの半欠けの月女も
今は天空高く内奥深く
白く微笑み見守っているのか
★
三千年したら
必ずまた産まれてくる
新たな課題を持って自らを浄化しに
この世界を
愛の光で力強く照らせるまで
何度でも 何度でも