池袋の路上から
番田 


ぼんやりと池袋の中を
歩き回っていた 休日
アイフォン修理工房でアイフォンを渡して そして
暖を取る場所を探して 私は歩いていた


西武の中を歩きまわり
スポーツ用品売り場に立つ 私
ワゴンセールを漁る人たちを横目に
エスカレーターを下から上に上がっていく人の群れの中に入る


やがて 上から下に降りていく私がいた
用を終えた人の立つエスカレーターの流れに乗ると
私は人々のそこで生きている姿について考えさせられていた
そしてそこで生きている自分自身の陰形を感じていた


修理された アイフォンを手にした
私は 金を払い それを手渡されると 一人 あてもなく
それから 入った 近くの喫茶店で その画面を見つめながら
隣の女同士の話を 何もすることもできないまま 聞いていた



自由詩 池袋の路上から Copyright 番田  2016-01-31 18:56:37
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