思春期と云う名の歌
颯太@

エグイ世間と理想の間に 弾かれた虹色おはじき
摩擦で汚れたスペックは 憂鬱を残し消えてった
アイツが姿を消す前日 小さく呟いた言葉も
一面飾った後直ぐ 月影に溶けて零に成った

正解不正解を浮かべて 虚しさに錆び弦弾けば
無情に指腹も切れて 真紅が板にこびり付いた
信じる物は此処に在り 触れる度に脈打つ痛み
命が見えた気がした 確かに在る繊細な痛み

大袈裟でも控え目でも 瞬時に放つ物には真が潜む
消えない様に抱き締めて唄う 二弦切れた左脳で唄え

明暗彷徨い生まれた 生命 使い捨ての声なら更に叫べ
社会の繋がり可愛がりの末 過食に過換気症候群
正義にも悪にも成れずの白いカラスは悲しいと鳴き
過呼吸に進化する 己に唄う

太陽が髪を揺らし笑って 少年が顔を隠し泣いてた
その泣き声に一瞬で 暗闇に変えられた僕がいる
同じ涙を落とした思春期 強くなろうと踠いた
踠けば踠く程殴られ 負けずに生爪握り締めた

愛を過去に捨てた女医が 不器用に顎に入れたメス
部外者が事件を器用に煽り 僕は此ノ歌を天に唄え

季節限定 片道切符 生命 歴史を繋ぐ時代の片隅
年代問わず蔓延る虐めに時問わず悩める解決策
チラツク敵に物申す勇気か味方に救済求める勇気
見逃し勝ちな 逃げる真の勇気 今

触れて覚えた涙の重さ 触れて忘れた誰かの温度
暮れてく街に心は硬化 身構えるのは汚染の効果
それでも生きる理由は それでも生きる意味は
今夜は奪われない様 内ポケットに忍ばせた

隠したナイフに触れた 心と云う臓器の深部
錆び付いて艶は皆無 ぶり返した涙のせいか?

デパス マイスリン リリカ先生 リフレックス即効能ゼロ
無視されても鳴り響く鼓動 高ぶる方角を睨み付けろ
憂鬱な日々を踏み付けるは世界に此ノ命が在る証明
生きてんだよ僕は 居るんだよ僕ら

価値ある生命に誇りを持て 命を見捨てない人であれ
現実に腐っても 自分の事だけは諦めるな
思春期な己に 此ノ歌を捧ぐ


自由詩 思春期と云う名の歌 Copyright 颯太@ 2016-01-30 23:22:36
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