珊瑚樹キス
藤鈴呼



キラキラの太陽の下 粒粒のサンゴ 咲いた
首飾りにするには ちょっと遅いね 君が言った

首元が 心許ないからなのか
その筋を 隠せるのかと 画策したのに
徒労に終わる

もう一歩も 進みたくない程に 夕陽は暮れて
情熱の赤色なんて 一筋の光明に思えた頃
足元で 君が 潰れた

僕の夢が 一つ 壊れたような 気がして
涙ぐんだ

ねえ 見て御覧
笑いながら 尚も告げる姿を
後ろから 張り倒してやろうかと 思ったけれど
目を見張る

其処には いつかの 二人のように
寄り添う粒が ふたあっつ

涙を 受け留めながら
これ以上 流れないようにねって
ねぇ そんな風に 支えているの?

既に 月明かりと化した 光を
懸命に 受け留めるかのような 葉の色は
真紅に 耀いていた

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自由詩 珊瑚樹キス Copyright 藤鈴呼 2016-01-30 02:30:03
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