学生時代



戻りたいかと聞かれれば
大して戻りたくもないが
あの頃の私は
非常に無垢で痛々しく
真っ直ぐに生きていたな、と
ふと思い出した

あの頃は
『好き』という感情に敏感で
勉強そっちのけでいつも
『好き』な音楽、『好き 』な作家
『好き』な漫画、『好き』な映画....
沢山の『好き』を見つけ出し
毎日『好き』な物を大切に育んでいた
そんな新鮮で、輝かしい日々

あの頃の仲間は散り散りになり
きっともう混じり合う事はない
馬鹿みたいな話で盛り上がり
帰りの電車の中で未来を語らい
放課後の教室でパンを食べながら
理由もなく最終下校時刻まで
帰らなかった何気無い時間は二度と
戻ってくる事は無いだろう

そんな懐かしい
目が眩むような日々は
わたしのかけがえの無い
宝物となって
わたしの未来を照らしている


自由詩 学生時代 Copyright  2016-01-27 01:21:29
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