心海魚
颯太@

たとえば広すぎる世界に
この心がなかったら
孤独に怯えずにすむけど
味気ない花が咲く

僕らは日常の隅っこで
光と影を探る生き物
まぶたに悲しみを隠してる

夢の畔からクロール
淡い花びらも水面に降り
小さな尾びれの魚になる

たまに嫌いだけど潜って
その声を聞いてあげる
僕を操る心の心へ

温もりを連れて

たとえば両目をなくすとして
最後に君を望んだら
痛みに支配されていても
ここは美しい場所

いつからか遠くの煌めきへ
急ぎ過ぎて濁った日常
大切な物、落としてた

強がりや欲を脱ぎ捨て
淋しげな後ろ姿を探し
小さな尾びれの魚になる

見失わないように潜って
彷徨う心を抱きしめる
たった一つを大切に

君も僕も 一つしかない


自由詩 心海魚 Copyright 颯太@ 2016-01-26 09:41:55
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