鷲田

時が支配者であるという命題に
生は何時も屈服する
1日は24種の蒼い乾びた血液から成り立ち
時を忘れた瞬間に赤い血流は体内を巡る

生の瞬間は忘却に潜んでいる
小さな人間の小さな脳内に
目の前にある億万光年の積雪との接点に

宇宙の成り立ちは
完璧な規則性を太陽と地球に与えた
隆起する山々や巻き付く海岸への波は
無感覚に恋をした偶然性の欠片

日々は過去に生きている
現在は生々しく弾け過ぎていて
未来は希望や不安のパステルに染められている
私達は見つめることでしか日常を捉えられない

良き日々と悪しき日々
過ぎ去った日々は風景ごとに積み重なり
時は雨の水滴になり、過去の記憶は湿気と共にある

過去にある現在の感情
現在にある未来の感情
そこにあるのは時の輪郭を描いた初冬のモチーフだけだ


自由詩Copyright 鷲田 2016-01-24 16:21:13
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