物語
あおい満月
指先が触れる。
指先が動く。
私の一日がはじまる。
ことばを書くことは、
身体の一部のようなもの。
私がそっと、
何かの気配や、
匂いを感じただけで、
そこからもう、
物語がはじまる。
あなたが差し出す手を、
握った瞬間から、
命の胎動が聴こえてくるような、
遥か彼方から響いてくる、
大地の鼓動が私の胸を揺さぶる。
開いた瞳から、
夏が溢れ出す。
皮膚にひりつく血の熱も、
滴る汗も、
すべてを私の一部に変えて、
今を私は描く。
自由詩
物語
Copyright
あおい満月
2016-01-24 02:14:40
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