オオバコ
青井
言葉にすると言葉にしただけ
そこに意味が生まれてしまう
あらゆる意味から解き放って
言葉を自由に羽ばたかせたいのに
ひとのあいだで暮らしていると
なにかにつけて「君はいったい
なにを言いたいのか」と
問われることから避けられない
言いたいことなどなにもないと
答えてみてもそれさえ
一種の意見であると
勝手に見なされてしまう
言葉をただの言葉として
この場に置いておけないだろうか
庭先に芽吹いたオオバコのように
なんの意図も主張もなく
言葉で伝えたいことなど何一つない
ただぼくは描きたいのだ
この世界の果てしない美貌を
その限りない冷たさを